日本帰国後も米国申告が必要になるケース

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日本帰国後も米国申告が必要になるケース

2026年11月06日

日本帰国後も米国申告が必要になるケース 

米国駐在や留学を終えて日本へ帰国すると、「これからは日本の申告だけでよい」と思われる方も多いでしょう。ただ、米国の申告義務は、今住んでいる国だけで決まるわけではありません。市民権やグリーンカード、帰国年の滞在日数、米国からの所得などによっては、帰国後も米国への申告が必要になることがあります。 

この記事では、よくあるケースと、帰国前後に確認しておきたいポイントを簡単にご紹介します。実際の取り扱いは一人ひとり異なるため、ご自身の状況に照らしてご覧ください。 

1.帰国後も米国申告が必要になりやすいケース 

ケース1:米国市民・二重国籍の方 

米国市民は、原則として、住んでいる国にかかわらず全世界の所得を米国へ申告します。日本で得た給与だけの場合でも、一定の基準を満たせばForm 1040の提出が必要です。日本で納めた税金は外国税額控除などで調整できる場合がありますが、追加納税がない場合でも申告が必要なことがあります。 

ケース2:グリーンカードの終了手続きをしていない方 

グリーンカードをお持ちの方は、原則として米国の税務上の居住者です。日本へ転居したことや、カードの期限が切れたことだけで、税務上のステータスが自動的に終わるとは限りません。放棄の正式な手続き(Form I-407など)が必要です。長期間保有していた方は、Form 8854や離脱税の確認が必要になる場合もあるため、手続き前に過去の申告状況を整理しておくと安心です。 

ケース3:帰国した年に米国居住者の期間が残る方 

帰国した年は、帰国日まで米国居住者、帰国後は非居住者となる「二重身分(dual-status)」に該当することがあります。この場合、居住者期間と非居住者期間の所得を分けて申告します。出入国記録、航空券、賃貸契約の終了日などは保管しておきましょう。 

ケース4:帰国後も米国からの所得がある方 

米国に賃貸不動産、事業、年金、株式報酬などが残っている場合は、非居住者になった後もForm 1040-NRが必要になることがあります。配当や退職口座からの分配も確認が必要です。金融機関に提出したForm W-8BENや住所情報も、帰国後に見直しておきましょう。 

ケース5:州税が関係する方 

州税は連邦税とは別の制度です。住居、運転免許証、銀行口座、ご家族などのつながりが州内に残っている場合は、帰国後も居住者と判断されることがあります。また、州内不動産の賃料や売却益があれば、非居住者申告が必要になる場合があります。 

2.税金が出なくても必要になることがある「情報申告」 

帰国後に忘れやすいのが、海外口座や資産に関する情報申告です。税金が発生していなくても、提出漏れがペナルティの対象になることがあります。 

FBAR(FinCEN Form 114) 

米国人(U.S. person)が持つ米国外の金融口座の合計最高残高が、年の途中で1万米ドルを超える場合は、原則としてFBARを電子提出します。日本の預金口座や証券口座なども対象になることがあります。 

Form 8938・外国法人・外国信託など 

一定額を超える外国金融資産はForm 8938の対象になることがあります。また、日本法人、外国信託、日本の投資信託などを保有している場合は、Form 5471、Form 3520、Form 8621などの追加書類が必要になることがあります。特に日本の投資信託やETFは、米国ではPFICとして複雑な報告が必要になる場合があるため、購入前の確認がおすすめです。 

3.帰国前後に確認しておきたいポイント 

身分:米国市民権、グリーンカード、ビザの種類と有効状況 

申告履歴:過去5~8年程度の連邦・州申告、FBAR等の提出状況 

滞在日数:帰国年と前後年の米国滞在日数、出入国記録 

米国資産:不動産、証券、退職口座、株式報酬、事業持分 

日本資産:預金、証券、投資信託、法人、信託・贈与関係 

州との関係:住居、免許、登録、家族、住所地変更の証拠資料 

帰国した年の申告は、通常より資料が多くなることがあります。W-2、Form 1099、株式報酬の明細、日米の給与・納税資料、口座の年中最高残高などを早めにそろえておきましょう。 

4.まとめ:帰国後も一度確認しておくと安心です 

帰国後も米国申告が必要かどうかは、市民権、グリーンカード、帰国年の滞在日数、米国からの所得、州とのつながり、海外資産などを合わせて判断します。「自分は対象かもしれない」と思ったときは、手続きや金融商品の購入前に専門家へ相談すると安心です。 

当事務所では、帰国年の申告、グリーンカード放棄前の税務整理、Form 1040-NR、FBAR・Form 8938、外国法人・PFIC関連の申告などをお手伝いしています。ご相談の際は、在留資格、渡米日・帰国日、直近の申告書、日米の資産一覧をご用意ください。 

お読みいただく際のご案内 

この記事は、2026年11月5日時点の一般的な情報です。税法や取り扱いは、改正や個別の状況によって変わります。具体的な対応については、米国税務の専門家へご相談ください。 

主な公的資料:IRS「U.S. Citizens and Resident Aliens Abroad」「Taxation of Dual-Status Aliens」「Expatriation Tax」、FinCEN「Report of Foreign Bank and Financial Accounts (FBAR)」、IRS各フォーム説明書(Forms 8938, 8621, 8854) 

 

※本ニュースレターは一般的な情報提供を目的としており、特定の税務・投資アドバイスを行うものではありません。個別の判断については、401(k)プランの専門家または税務アドバイザーへご相談ください。

This article is intended as general information only and does not constitute professional advice. Using this document or any other material provided by Premier Kaikei LLP, Premier does not create a professional-client relationship. All information should be independently verified before being relied on or acted upon. Please speak to an experienced professional for case-specific questions.

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